3/17 フエゴ島へ渡る

6時起床。外は暗く寒い。隣り部屋との壁は薄くて音が筒抜け。迷惑が掛からない様にと静かに出発準備。7時過ぎから少しづつ明るくなる。自転車にバックを取り付けてから朝食を頂く。8時、宿の庭でテント泊していたサイクリストが出発した。その後我らも出発。寒くて手先がかじかむ。港へ走っていくとサイクリスト二人組発見。何だかスピードがめちゃ遅い。バックやらヘルメットやらにひらひらテープがなびいている。あのフランス初老カップルだ。再会を喜ぶ。9時出航、穏やかなマゼラン海峡を渡りフエゴ島へ。自転車組は我々の他に宿で一緒だったカップルとフランス人カップルの3組だけだ。教科書でしか知らなかった遠い遠いマゼラン海峡を渡っているなんて信じられないよ。実はマゼラン海峡はもっと南のウシュアイアの先だとばかり思っていました。パナマ運河が出きるまではプエルトアレナスが大西洋と太平洋をつなぐ船の交通要所だったというのもここで初めて知りました。

フェリーは客いっぱい、テーブル席でうたた寝しているうちに11:30Porvenir着。これから先海岸線道か山道を走るか迷い、ドライバーを止めて相談すると山道ルートの方が景色が良いとこちらを勧める。フランス人カップルも山道ルートを走ると言う。山道の方が距離も短いので我々も山道を走ることにする。坂を上り暫らく走ると未舗装道路に変わってしまった。やっぱりダートは嫌いだよ。でも景色は抜群。道端にグアナゴの群れが見える。Keme近づいて行くと急いで逃げていってしまった。かなり用心深い動物なんです。道路左手の見張り役が声高々に鳴くと、続いて道路右のグアナゴが鳴き周りのグアナゴが一斉に逃げていきました。チームワークばっちりの動作にびっくりでした。アップダウンの連続の道、そのうち風も出てきた。石ゴロゴロの下り坂とすごい追い風でバランスを崩しKeme自転車ごと転倒。打撲した右腕が痺れてしばらく起きれない。近くで犬が吠えている。Hard君は随分先を行ってしまっている。痺れている腕の感覚が戻るまで寝て待つ。フロントのキャリアが曲がってしまった。Hard君心配して戻ってくる。暫らく休憩を取る。この強風では野宿もままならない。目の前真っ暗の状況に早く山道から脱出したいと気だけは焦る。あのフランス初老カップルにも追い抜かれた。彼らはマウンテンバイクなのでダートには強い。我らの自転車はクロスバイクでタイヤ幅が狭く、砂利道はスリップしやすく恐い。

アップダウンを繰り返しようやく頂上。長い下りが始まる。やっと海岸線道との分岐点に着いた時は18時を回っていた。辺りには風避けになる窪地がない。分岐点に小さなバス停の小屋がある。東側が入口、でもドアがないから風が吹き込むが、ここしか適当な野宿ポイントは見当たりそうもない。時間が時間だけにこのバス停で野宿することにする。小屋の中はテントを張る広さもない。もちろんお湯は沸かせずサンドイッチで簡単に夕食を済ます。入口を外張りで覆いドア代わりにし、床にテントを敷きその中に潜り込み6枚着込んで寝袋に入り、風が強くなりませんようにと祈りながら寝る。外は風の音がすごい。風のない世界へ行きたい。温かい世界へ行きたいよぉ!

Punta Arenas~フエゴ島海岸線道と山道との分岐点 移動距離60km、バス停の小屋で野宿

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ホステル前
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マゼラン海峡
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野宿したバス停